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仏壇にお祀りするご本尊の種類



さて、今回は

【お仏壇にお祀りするご本尊様の種類】

のお話です。


お仏壇の中心にはご本尊様をお祀りします。

お仏壇はご先祖をお祀りするところだけではなく、その家の信仰する宗派のご本尊様をお祀りするところでもあります。

ご本尊様をお仏壇に祀ることにより、お仏壇に祈念すると同時にご本尊様に礼拝することになり、人の心は慰められ生きてゆく力を頂くことができるのです。

ご本尊様はお仏壇の大きさに合わせて仏像・掛け軸を選べます。

ご本尊様の形には仏像だけでなく、掛け軸もあります。

一般的にはともに仏壇の中央にご安置します。

お仏壇に新しくご本尊様をお迎えする際は、『開眼供養』・『入仏慶讃法要』などを行います。

ご本尊様は各宗派によって異なります。

仏教はインドのお釈迦様によって説かれ、その後二千五百余年もの長い時をかけ、また数多くの人々により中国・朝鮮とわたり、日本に伝えられました。

そしてその時代の流れの中で姿を変え、形を変えながら今日のような様々な宗派が生まれました。

しかし、すべての宗派の根源はお釈迦様であり、仏教の根本的な考え方はみな同じなのです。

時代の中でそれを受け入れた宗祖の考えや教義に合わせてご本尊様も宗派により違いが生まれましたが、ご本尊様はそれぞれの宗派の象徴であり、重要な意味を持っています。

ほかにもたくさんのご本尊様・ご宗派があり、それぞれにお祀りの仕方が異なりますので、詳しくはお寺様にお尋ねください。

【仏像の種類】

仏像は大きく分けて5つの尊格に分類することができます。


『如来』(にょらい)

修行を遂げ、悟りを開いた者。釈迦如来、阿弥陀如来、盧舎那仏、大日如来、薬師如来など

『菩薩』(ぼさつ)

修行に励み悟りを求める者。観音菩薩、文殊菩薩、弥勒菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩など。

『明王』(みょうおう)

如来の化身または如来に代わって人々を救う仏。慈悲を伝えるとされる怒りの表情を浮かべています。不動明王、愛染明王、孔雀明王など。

『天部』(てんぶ)

天界に住む守護神。梵天、帝釈天、毘沙門天、吉祥天、弁財天など。

『その他』

仏弟子、釈迦の高弟である羅漢、各宗派の開祖や高僧など。

【座像と立像の違い】

座像も立像も日本に仏教が伝わった時代から存在した事がわかりましたが、

このお姿の違いに意味はあるのでしょうか?

座像は一般的に瞑想の修行中のお姿や、説法をしているお姿だと考えられています。

釈迦如来や阿弥陀如来など、如来像には座像も立像も存在するものが多いのですが

大日如来だけは必ず座っているお姿だというのが大きな特徴です。

また、立像は人々を救済しようと立ち上がったお姿だと考えられています。

実は時代と共に立像が増えていくのですが、これは人々の不安が増した時代背景により、人々の『救いにきて欲しい』との願望の表れだといわれております。

従来、この立像は足を揃えて立っているお姿が多かったのですが、鎌倉時代以降となると歩き出したように片足が前に出た立像も登場します。人々が救済をさらに急かす気持ちが仏像に表れているといえます。


珍しいですが、走っている【走り大黒】などの仏像も存在しますので、人々がいかに仏像に救いを求めていたかがわかります。

ちなみに、韋駄天や四天王など天部の仏像には立像が多いのですが、これは天部の仏像たちが如来の使いで、忙しくて座っている暇がないからだと考えられております。

【脇侍(きょうじ・わきじ)】

は、仏教彫刻(仏像)や仏教絵画において、中尊(中央に位置し、信仰の中心となるほとけ)の左右に控える菩薩や明王、天などをいう。脇士・夾侍(きょうじ)、脇立(わきだち)ともいう。中尊の教化を補佐する役割をもつとされる。

【宗派によるご本尊、脇侍の違い】

《天台宗》

本尊・阿弥陀如来あるいは釈迦如来

左脇侍・伝教大師最澄(さいちょう)

右脇侍・天台大師智顗(ちぎ)

《真言宗》

本尊・大日如来

左脇侍・不動明王

右脇侍・弘法大師

《浄土宗》

本尊・阿弥陀如来

左脇侍・法然(ほうねん)聖人

右脇侍・善導(ぜんどう)大師

《浄土真宗 本願寺派》

本尊・西立阿弥陀如来

左脇侍・蓮如(れんにょ)聖人

右脇侍・親鸞(しんらん)聖人

《浄土真宗 大谷派》

本尊・東立阿弥陀如来

左脇掛・九字名号(南無不可思議光如来)

右脇掛・十字名号(帰命尽十方無碍光如来)

《臨済宗》

本尊・釈迦如来(釈迦牟尼仏)

左脇侍・宗派により異なる

右脇侍・宗派により異なる

《曹洞宗》

本尊・釈迦如来(釈迦牟尼仏)

左脇侍・常済(じょうさい)大師

右脇侍・承陽(じょうよう)大師

《日蓮宗》

本尊・十界(じっかい)大曼荼羅

左脇侍・大国天

右脇侍・鬼子母神

《法華宗》

本尊・十界大曼荼羅

左脇侍・法明(ほうみょう)上人

右脇侍・良忍(りょうにん)上人

この様に他にも宗派により異なるので、ご自宅の菩提寺が何宗の何派なのかを把握しておくと良いでしょう。

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